スタイリスト福田麻琴さんpresents
今、ワクワクするおしゃれがしたい
人気スタイリスト福田麻琴さんと一緒にお届けする、「今リアルに着たいもの」を 紐解くシリーズ連載。麻琴さんが実際にワクワクと胸をときめかせたアイテムを、今の気分に合わせたスタイリングでお届け。
Episode 04
「コートを選ぶなら、〝技ありの黒〟」
おしゃれをするときのワクワク感やときめきを大切にすると着まわしを考えることがおろそかになりがちですが、
ことアウターに関してだけは、、、やっぱり着まわしできるかどうかが選ぶ時のポイントになっています。
買う前になんとなくこんな風に着たいなというのをシミレーション。最低5パターンは考えます。
だってコートはその季節で一番高額な買い物になるし、クローゼットの容量を考えたら何枚も買うわけにいかないから、
ついつい黒いコートを選びがちなのです。
Style 01
着まわし上手な黒コート。ベーシックなチェスターのコートも、今年はこんなヘリンボーン柄のツイードを選ぶのも、少し新鮮でいいかなと思っています。
私もジャケットでは持っているのですが、意外とどんなものとも合わせやすいヘリンボーン柄。
それでいて無地よりも断然華やかさが増し、おしゃれに見せてくれる。
どこかクラシカルな雰囲気も今の気分にフィットするから、
周りともきっと差がつく一枚になるはずです。
このチェスターコートは襟を立てても着られる2WAY デザイン。 襟元と袖口とベルテッドデザインも相まって、メンズライクでかっこいい佇まいに。 たっぷりと生地を使ったゆったりとしたシルエットや、大きめなボタンなどディテールにもこだわって、上質感も申し分なし。
コーディネートのポイントは、コートの中にチラリと見える赤のニット。 〝差し色の赤〟はもともと大好き。靴やバッグの赤小物や赤リップのように、ちょっとさすだけで女っぽさがアップします。 洋服で取り入れる場合は、私的にはT シャツなどのフラットな素材のものよりも、毛足で表面感や風合いが出せる冬素材のものが取り入れやすくておすすめです。 メンズライクなコートだからこそ、赤ニットの女らしさが効果的に映えます。 カットソーを首元からのぞかせて、今年らしさをもうひとさじ。
Style 02
この冬はショートコートトレンドがひさびさに復活しています。 アウターにショート丈を選ぶだけで、アイテム自体がベーシックでもたちまち更新感が。 私も一枚は欲しいと思っています。そのショートコートブームの効果もあり、もともと好きなアイテムではありますが、 今年はいつも以上にスタジャンやMA-1熱も高めです。このようにスタジャンも黒を選べば大人も取り入れやすい。
このスタジャンは、光沢のある上品な素材感、ほんのりパフスリーブになった袖、ボタンなどのディテールも黒で統一したシックなデザインで、カジュアルになりすぎないさじ加減がとっても上手。全体はコンパクトなのに丈感はお尻が隠れるくらいのやや長めなので、気になる部分を上手にカバー。どんなスカート丈にも、今年トレンドの太めパンツから細身のスラックスにも、ボトムスを選ばない万能さも嬉しい。
こんな風にベーシックなタートルにエコレザーのスカートを合わせた上に羽織って、 質感の違う黒を重ねたオールブラックも、間違いのない鉄板スタイルです。 そこにパイソン靴とソックスで足元に遊びを効かせたのもポイント。 リボンカチューシャとエコレザースカートの甘辛ミックスでスタイルに奥行きを加えました。
いよいよ本格的に寒くなってきて、クローゼットを冬仕様にしなければと思っています。 コートってコーディネート全体の印象を左右する核となるもの。 だから冬のおしゃれは、まずコート軸で考えた方がうまく行く気がします。私は今、どんなものにワクワクするんだろう。 私はこの冬、どんなスタイルになりたいんだろう。今の自分の気分と向き合って、一番フィットするものは何なのか、買い足しコートを思案中です。 みなさんも自分的にアガる〝今年の一枚〟と出会えますように。
コートやブルゾンは、長く愛せそうなものを選ぶようにしています。 このコートはちょっとオーセンティックな佇まいが好み。あえてきっちりとボタンを全部閉める着方が好きなのですが、 これなら20 年後もきっと活躍してくれそう。ボリュームも丈感のたっぷりあるのに、軽い着心地が素晴らしいです。 このブルゾンも、一見ベーシックに見えて、計算しつくされたシルエットが優秀。 肩が入っているので、ボリュームがあるのにコンパクト。 着膨れしがちなアイテムだけにスッキリみえるのは嬉しいですね。
Profile
福田麻琴さん
「LEE」「VERY」など数多くの女性ファッション誌をはじめ、広告、CM、カタ
ログなどで幅広く活躍する人気スタイリスト。ベーシックを軸に今の気分を程
よく取り入れたスタイリングが得意。抜群の審美眼とモノヘの愛が深く、語れ
るスタイリストとしても引っ張りだこ。
「ただ着るだけでおしゃれになる ワンツーコーデ」(西東社)など著書も多数。
Instagram @makoto078
クリスウェブ佳子さん
モデル、コラムニスト、ラジオパーソナリティとして多岐に活躍。ファッショ
ンはもちろん、インテリアなどにも精通したセンスの良さには定評が。
Instagram @tokyodame
着用アイテム
Style 01
Style 02
STAFF
STYLING / MAKOTO FUKUDA
PHOTO / YUTARO YAMANE
HAIR&MAKE-UP / YUKIO MORI(roi)
MODEL / Yoshiko Kris-Webb
EDIT / YUKIKO TSUKADA