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スタイリスト村山佳世子さんが提案
大人こそお洒落に〝嗜 ( たしな ) み〟を

「大人になればなるほど、変な貫禄が出てきたり、
妙に頑張っている感が気になってくる人も多いはず。
でも幾つになっても、トレンドアイテムに飛びついたり、
ちょっと挑戦かなと思うアイテムにもどんどん挑んで欲しい。
同じようなアイテムでも、選び方や合わせ方を
意識するだけで全然違って見える。
色々な経験値を踏んだ大人だから分かる
お洒落の〝嗜み〟って、あると思うのです」。

職人派スタイリストの村山佳世子さんがインタビューの中で
語って下さった言葉がとても印象的だったお洒落の〝嗜み〟。
その極意を2回にわたってお届けします。

Episode 01

ワントーンスタイルをマスターする

大人の女性って、引き算が苦手な方が多いと思います。ただちゃんとお洒落をしているけど、抜け感を出すって結構難易度が高いのも事実。だからこそおすすめしたいのが、ワントーンスタイルなんです。トーンを揃えるだけで、全体の印象がスッキリと見えて、洗練させてくれるから。
合わせ方ひとつで、同じアイテムでも印象は全然違うと思います。

Style 01

セットアップを上手に取り入れる

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ワントーンコーデの最たるものがセットアップなんじゃないかなと思います。すでに2アイテムは揃っているから、あとはインナーのトーンを揃えるだけでいいなんて、こんな楽ちんなことはありません。私自身も、とりあえずセットで買っておくというくらい、セットアップは好きなアイテム。ただ一歩間違えるとリクルートスーツみたいに見えてしまうから、まず何を選ぶかも重要ですよね。私が考える簡単な見極め方の一つは、どこのブランドで選ぶかということ。セットアップって一番そのブランドの色が出るもの。私のようにお仕事のときにも、休日のラフスタイルでもセットアップを着たいタイプなら、きちんと系も、カジュアル系も両方扱っているブランドで選べば、まず堅苦しくなりすぎることはない気がしています。端正なシャツもラフなミリタリーパンツも両方扱っている、エリオポールはそういう意味でも信頼感は高いです。

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このエリソンジャケットは、シンプルながらちょっと丈が長めで、いまどき感があるデザインが素敵。柔らかさのある薄手のレーヨンウール素材で、真夏以外は活躍しそうな万能さも嬉しい。パンツもきれいなスラックスながら、セットアップで着ても真面目になりすぎない雰囲気はさすがです。今までだと迷わず T シャツを合わせていましたが、今年だったら、こんな風にニットキャミを合わせるスタイルもおすすめです。少しだけフェミニンに、女っぽく着るのが気分なのかも。

column

インナーにニットキャミで変化を

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今年目にすることの多いキャミソール。シアーなトップスに重ねたり、今回のようにジャケットやカーディガンのインナーとして着たり。大人は一枚ではなかなか着られないと思いますが、T シャツより少しだけ胸元が開いていたり、肌感があるだけでグッと女らしくなり、鮮度がアップ。これは肩紐が細くなりすぎず、胸元も開きすぎていないカッティングが秀逸。

Style 02

甘いアイテムこそ馴染ませる

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この春はレースなど甘いアイテムが目白押し。普段はシンプル、ベーシック、ハンサム好きの私ですら、その可愛さに心が踊ります。ただ甘いアイテムこそ、若いころと違ってそれなりのこだわりがないと難しい。どう取り入れるかで、素敵にもイタくも見えてしまうもろ刃の剣だと思っています。

例えば、レースのトップスなら、それ自体が華やかだから形自体はシンプルがベスト。大人の甘口アイテムは盛りすぎないのが鉄則です。このブラウスはいまどきなゆったりシルエットで、真っ白じゃないアイボリーの色味も、肌になじんて、顔に映える。どんなテイストの人でも取り入れやすい一枚です。

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盛りすぎないという意味では、合わせ方も重要です。甘いものが好きな人も、ここはスカートを封印。大人はあえてカジュアルなパンツを合わせた方が、抜け感となってバランスがいい。さらにおすすめしたいのがワントーンコーデです。もちろんデニムでもいいのですが、カジュアルな白のコットンパンツの方が、より印象がスッキリ。甘いアイテムを馴染ませて、さりげなく香らせる。それくらいの引き算がちょうどいい気がします。今回のように引き締め役としてカーディガンやストールを足すのもおすすめです。

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一枚で、重ねて、レースの取り入れ方

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レースにもいろいろと種類がありますが、シックでヴィンテージライクなレースの方が大人は取り入れやすい場合が多いです。それでも苦手意識のある人は、襟元や袖もとから覗かせるのもおすすめ。形はシンプルで、立ち襟や袖が出せるものが重ね着向き。さりげなくレース感が出るだけでも、今の気分を楽しめるはず。

Profile

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村山佳世子さん

集英社の女性誌を中心に広告、カタログなど幅広く活躍する人気スタイリスト。長年ファッション界でスタイルを牽引し続ける。高い審美眼と程よく旬味があるスタイリングに、スタッフやモデルからも絶大な支持を集める。著書「一生もののおしゃれが身につく 10 のルール 100 のコーディネート」(集英社)。
インスタグラム @stylist_murayama_kayoko

STAFF

STYLING / KAYOKO MURAKAMI

PHOTO / YUTARO YAMANE

HAIR&MAKE-UP / YUKIO MORI(roi)

EDIT / YUKIKO TSUKADA